二極化する賃金

このところ一部大企業の賃上げ(厳密には賞与増額が主であるが)が大きく報道されている。例えるならある学校で成績上位5%の生徒に授業終了後、更に個別に家庭教師をつけてテストの優劣をつけるようなものだろう。コンビニエンスストアの本部フランチャイズは当然変更されないし、一番生産性が高い人々すなわち現場のアルバイトの時給も変わらないだろう。以前も指摘した事であるが、ますます歪んだ賃金構造が構築されていくわけだ。しわ寄せは取引先企業やその社員そして、原材料の高騰が等、、、という最もらしい言い訳で消費者が負担する事になる。

 

近頃はテレビ局も盛んにこの手の業界を取り上げ、タレント達が高額の出演料と引き換えに大げさに褒めちぎる。公共電波を使った、ステマのようである。と文句ばかり言っているがマクロで考えるとやはり可処分所得の高い人々の賃金を刺激しないと、不動産や自動車等は大きく伸びないので仕方ない事だろう。やはりこの手の業界はまだ雇用の裾野が広いためマクロでは有効な方法だろう。

 

一方ではアプリ等という便利なツールで万人向けに薄く広く稼ごうという業界もある。昨年貿易収支が過去最大の赤字になりながら、呑気に新興国からスマートフォンを輸入し、それを高額の料金を永遠に支払い続け、遊んでいる場合ではないのだが。この業界の雇用はというと、少数の頭脳集約型労働者は増えるが、労働集約型の人々は不要になる。まさに毎月料金を支払いながら、自身の首を絞めているようなものだ。

 

株高・円安といっても日本人は本来投資にはアレルギーがある人種である。むしろ貯蓄こそ全てと言ってもいい。現在の状況は一部富裕層がさらに富を増やし、大半の昔からの投資家は保有する塩漬け株が、薄塩に変わった程度ではないのだろうか。

 

 

 

 

 


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